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2025.11.22

家づくりコラム

光の取り方が暮らしを変える。窓計画で後悔しないために

家づくりのご相談で、「明るいリビングにしたい」「日差しは欲しいけれど、暑すぎるのは困る」という声をよくいただきます。
壁や床の色も大事ですが、毎日の心地よさを大きく左右するのは、やはり窓と光の計画です。

今回は、私たちが実際にお手伝いしたお家を例に、光を上手に取り入れるための窓計画の考え方をご紹介します。

窓というと「大きくたくさんつければ明るくなる」と思いがちですが、実際には方位や周りの環境、暮らし方によって、最適な形は変わります。

だからこそ、「とりあえず大きい窓」ではなく、その家族の暮らし方に合わせて光の入り方をデザインすることが大切です。

1つ目のお家は、南側に大きな掃き出し窓が並ぶ平屋。
ポイントは、その窓を覆うように計画された深い軒です。

▲ 深い軒の下に、大きな掃き出し窓とタイルポーチを設けた外観。

岡山のように日差しが強い地域では、南面に大きな窓をつくると、夏は室内に直射日光が入り過ぎて暑くなりがちです。
そこで、このお家では軒をしっかり深く出すことで、夏の高い太陽は軒でカットし、冬の低い太陽は室内の奥まで光が届くように計画しました。

窓の外にはタイルポーチがあり、椅子を出してくつろげる「外のリビング」のようなスペースに。
軒のおかげで強い日差しや急な雨を気にせず、室内と外をゆるやかにつなぐ居心地の良い場所になっています。

2つ目のお家は、建物がコの字型に中庭を囲むプラン。
周囲に家が建っている立地でも、他人の目線を気にせず、しっかり採光したいというご希望がありました。

▲ 中庭を囲むように大きな窓を配置。光とプライバシーを両立させたコートハウス。

道路側や隣家側には必要最低限の窓だけに絞り、大きな窓はすべて中庭に向けて配置。
そうすることで、外からは室内の様子がほとんど見えないのに、LDKや個室にはたっぷりと自然光が入ります。

中庭は、洗濯物を干したり、子どもたちが遊んだり、大人がアウトドアチェアで一息ついたりと、暮らしの中心になる場所。
光の取り方＝暮らしのシーンの作り方でもあることを感じさせてくれる事例です。

3つ目のお家は、少しユニークなケースです。
南側に道路がある土地ですが、あえて道路側の壁には窓をつけていません。

▲ 南道路側には窓をつくらず、中庭側から光を取り込むL字型の外観。

施主様は、海釣りやサーフィンが大好きなアウトドア派。
南側には、玄関とは別に勝手口と大きな納戸がつながる動線をつくり、

という、趣味のための動線を最優先しました。

その結果、南道路側には窓をつくりにくくなりましたが、家をL字型にして中庭をつくることで、リビングにはしっかり南からの光を取り込めるようにしています。

道路からの視線や、車の出入りの安全性、趣味の動線を考えながらも、中庭側からの採光で明るさを確保する。
「光」と「暮らし方」をセットで考えた、まさに注文住宅らしい窓計画と言えます。

3つの事例に共通しているのは、どれも「ただ大きな窓をつけた」のではないということです。

窓は“穴”ではなく、光・風・視線・暮らし方をデザインするためのパーツです。
方位や周囲の建物、将来の暮らし方まで含めて考えると、「この窓はなぜここにあるのか」が1つ1つ説明できる家になります。

同じ南向きの窓でも、軒の出し方や中庭の有無、周囲の環境によって、室内の明るさや居心地は大きく変わります。
「明るいリビングにしたい」「外からの視線は気になる」「趣味の動線も大事にしたい」など、条件はご家族ごとにさまざまです。

私たちは、間取りだけでなく、光の入り方・風の抜け方・暮らし方まで含めて、お客さま一組一組に合った窓計画をご提案しています。
岡山で家づくりをお考えの方は、ぜひお気軽にご相談ください。