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全部こだわると全部高い。後悔しない「お金のかけどころ」の考え方
家づくりのご相談を受けていると、
- キッチンもお風呂もグレードアップしたい
- 造作家具もたくさんほしい
- 窓も大きく、外観もカッコよくしたい
……と、たくさんの「やりたいこと」が並ぶことがよくあります。
どれも素敵なご希望なのですが、現実には「予算」という大きなテーマがあります。
そこで私たち brooms では、
「全部を最高ランクにする」のではなく、
『お金をかける場所』と『シンプルでいい場所』を一緒に決めていくことを大切にしています。
今回は、実際のお家の写真をご紹介しながら、私たちがどんなふうに“お金のかけどころ”を考えているかをお話します。
目次
① 窓と外観は「方角と中庭」に合わせてメリハリを
最初の事例は、北側に道路があるお家です。
道路に面した北側は、そもそも太陽の光が入りにくい向き。ここでは、窓や軒をむやみに増やさず、外観もシンプルにまとめています。「見た目のためだけの大きな窓」を増やしてしまうと、コストは上がるのに、生活の快適さにはあまりつながらないからです。

▲ 北側道路側は、窓や軒を抑えてシンプルに。光が入りにくい面には、無理に大きな窓はつくりません。
そのぶん、南側の中庭には大きな窓を集中させました。家族が長く過ごすリビングにしっかり光が入るようにして、窓の位置と大きさを丁寧に計画しています。
また、このお家では、複層サッシにトリプルガラスや小さな庇を組み合わせて、夏の日差しと暑さをできるだけカットできるようにしています。
とはいえ、「すべての窓をトリプルガラスにしましょう」という意味ではありません。
- 日射が強く当たる面
- 家族が長く過ごす部屋
- エアコンに頼りすぎたくない場所
こういったところを中心に、「どの窓にどこまでお金をかけるか」を一緒に考えていく、というイメージです。

▲ 南側の中庭に大きな窓を集中。このお家では複層サッシにトリプルガラスも組み合わせて、明るさと夏の日差し対策のバランスをとっています。
② 内装は「全部造作」じゃなくても、質感はつくれる
次は、キッチンと寝室の事例です。
キッチンのバックセットは、既製品でシンプルな色合いのものを選んでいます。ただ、リビング側に向いたキッチンの立ち上がりには、無垢の笠木(かさぎ)をぐるっとまわして仕上げました。
これだけで、
- リビング側から見たときの「面」がきれいになる
- 全部を造作キッチンにしなくても、ちょっと特別な雰囲気が出る
という、コスパの良いお金のかけ方になります。

▲ バックセットは既製品でシンプルに。キッチンの立ち上がりに無垢材を回して、造作キッチンのような雰囲気を出しています。
寝室も同じ考え方です。窓枠には無垢材を使って、光が当たったときのやわらかい表情を楽しめるように。一方で、ドアは既製品にすることで、コストとのバランスを取りつつ、空間としてはシンプルにまとめることができます。
すべてを造作にしなくても、
- 手で触れるところ
- 視線がよく止まるところ
にだけ無垢材を使ってあげると、予算を抑えながら、きちんと brooms らしい質感を出すことができます。

▲ 窓枠は無垢材で、扉は既製品。素材をすべてそろえなくても、色味を合わせればシンプルで心地よい寝室になります。
③ 収納や子ども部屋は「今」と「将来」を天秤にかけて
最後は、造作収納と子ども部屋のメリハリの例です。
リビングには、本がお好きなご夫婦のために、壁一面の造作本棚と、ベンチのように座れる窓をつくりました。棚の一部は扉付きの収納にして、
- 本や雑貨を並べる場所
- ケーブルや細々したものを隠してしまう場所
を一体で計画しています。

▲ 壁一面の造作本棚とベンチになる窓を計画。見せる棚と扉付き収納を組み合わせて、本と日用品をすっきり収めています。
いっぽう、同じお家の子ども部屋は、今は大きな一つの部屋として使う計画です。将来、子どもが成長したときに二部屋に仕切れるよう、下地や扉の位置はきちんと準備してありますが、しばらくは家族で一緒に寝たり、フリースペースのように使えれば十分、という考え方でした。
「子ども一人につき一部屋を、最初から用意しなきゃ…」と思うと、どうしても家の面積も、建築費も大きくなりがちです。
それよりも、
- 家族がいちばん長く過ごすLDKまわり
- 毎日使う収納や本棚
- 将来も残っていく「居場所」になる空間
にお金をかけて、子ども部屋は「将来仕切れるシンプルな一室」にしておく。こうした割り切りも、後悔しない家づくりにはとても大切です。

▲ 子ども部屋は、将来仕切れるように準備しつつ、今は大きな一部屋に。専用の個室より、LDKまわりにお金をかけるという選択です。
まとめ:最初に「何を大事にしたいか」を一緒に整理しましょう
「せっかく注文住宅を建てるなら、あれもこれも叶えたい」。その気持ちは、私たちもよく分かります。
でも、全部を最高ランクにする必要はありません。
- 暮らしやすさや性能のために、しっかりお金をかけた方がいいところ
- ちょっとした工夫や素材の選び方で、シンプルにまとめても十分なところ
このメリハリをつけてあげると、予算の中でも「満足度の高い家」になりやすいと感じています。
brooms では、最初のご相談のときから、
「どこにお金をかけると、このご家族らしい家になるか?」を一緒に考えながら、プランや仕様を決めていきます。
「やりたいことはたくさんあるけど、何から優先したらいいか分からない…」
そんな方も、ぜひ一度お気軽にご相談ください。