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2024.1.26

家づくりコラム

勾配天井の特徴とメリット・弱点について｜失敗しない家づくりのコツ

勾配天井とは「ななめ（勾配）の天井」という意味です。

勾配天井の最大の魅力は、天井をななめに配することで開放感のある伸びやかな室内を演出できる点です。その反面で毎日生活する上での利便性を考慮すると、設計の段階で注意すべき点もあります。

そこでこの記事では勾配天井の特徴やメリット、そして勾配天井を取り入れる際の注意点について解説します。勾配天井に特有の性質を知ることで、大満足の家づくりに大きく一歩近づけるでしょう。

勾配天井とは文字通り「勾配＝傾斜」のある天井のことです。傾斜天井という呼び方もあります。

一般的なフラットタイプの天井は、床に対して水平に配置します。これに対して意図的にななめの構造をとるのが勾配天井です。

勾配天井は、傾斜した屋根の形状を利用します。そのため屋根の直下にあたる部屋に設置されるのが一般的です。

勾配天井が用いられる代表的なケースには、次のようなものがあります。

例えばこの記事の冒頭に掲載されている高梁市のM様邸は、平屋に勾配天井を設置した典型的な施工事例です。

緩やかに傾斜した天井が、空間に奥行きとゆとりを生み出しています。

勾配天井の高さに決まりはありません。住宅の構造や間取り、方角、周辺の住宅との兼ね合いなどの要素を考慮しながら設計します。

極端な例でいえば、天井の高さ4メートルといった勾配天井にすることも不可能ではありません。ただ天井が高くなるほどメンテナンスの手間がかかったり、冷暖房の熱効率が下がるなどの懸念もあります。

スタイリッシュな外観や開放感で勾配天井を選んだものの、実際に生活し始めてから想定外の手間がかかるといったことにならないよう、家族構成や理想の暮らしのイメージに合わせた天井の高さを選ぶことが大切です。

なお建築基準法では、居室における天井高さは2.1m以上でなければならないと定めています。これを受けてフラットタイプの天井では、2.4メートル前後の高さを採用するのが一般的です。

勾配天井に期待できるメリットには、次のようなものがあります。

天井が高い分、視線に奥行きが生まれることで部屋が広く感じられるのが、勾配天井の最大の魅力です。

またフラットな屋根であれば視界に触れることのない建築部材である梁をあえて見せることで、モダンでスタイリッシュな雰囲気を演出できます。

例えば勾配天井を活用してロフトを設置するのはいかがでしょうか。お気に入りの本を片手にくつろぐ書斎にすれば、子供の頃にあこがれた秘密基地の気分を味わえます。

高い位置に窓を設置すれば、天然のプラネタリウムを家に居ながらにして楽しむ生活も夢ではありません。

魅力満点の勾配天井のある家づくりに際しては、次の点を考慮してください。

設計および施工の段階で考慮したいのが、次の2点です。

傾斜天井に窓を設置する場合、方角や周辺の環境によって日差しの強さが変わります。設計の段階で慎重に検討することが大切です。

またフラットな天井の住宅よりも壁や天井の面積が広くなるため、コストが高くなる可能性があります。

勾配天井のある住まいでは、生活が始まってからの利便性も考慮しなければなりません。

天井が高いことは、開放感を生みます。その一方で窓が多い場合はカーテンが必要になるほか、照明機器の交換や修理の際に手が届かず、業者に依頼しなければならないこともあるでしょう。

さらに天井が高く居室空間が大きくなることで、冷暖房の効率が下がる傾向もみられます。

暖房の効率アップにはシーリングファンを設置して、上昇する暖かい空気を床に流す工夫するのが有効です。冷房の効率アップであれば、空間の広さに合わせたエアコンの設置やファンを併用するといった方法がよいでしょう。

勾配天井のある住まいでは、未来の生活にまで思いを馳せてデザインすることが欠かせません。妥協できるところとできないところを明確にしながら、予算との兼ね合いも含めて、施工会社にご相談ください。

勾配天井のある住まいは、家族がのびのびと自分らしく生活できる空間を生み出します。

ただ多角的かつ将来を見越してデザインする必要があることから、豊富な知識と経験を持った施工会社の協力が重要です。

勾配天井のある住まいに興味がおありでしたら、ぜひ私共にご相談ください。お客様が漠然と思い描く理想の住まいのイメージを、最大限実現するためのお手伝いをいたします。